賃貸物件(アパート・マンション・月極駐車場)の車庫証明|保管場所の使用権原書

車庫証明の申請にはいくつかの必要書類がありますが、その中の1つに「保管場所の使用権原書」というものがあります。


これは、警察署に「車の保管場所として使用する承諾を得ています。」ということを証明する書類です。

たとえばあなたが賃貸物件(アパート・マンション・月極駐車場)に車を保管している場合はどうでしょうか?

この場合も例外なく所有者から承諾を得たことを証明する書類が必要です。

他人の土地や車庫に無断で車を保管しておくことはできませんから、きちんと承諾を得たうえで保管場所を確保していることを警察署に証明する必要があります。

今回は、保管場所の使用権原書について自己所有であるときも含めてご説明します。

保管場所が自己所有である場合

保管場所が自己所有である場合が一番簡単です。

自己所有の土地や車庫を使用することを自分で証明すれば足りるからです。

自分で自分を証明するなんて馬鹿げていると思われるかもしれませんが、第三者から見たら誰が所有者であるかを把握することは困難です。ですから、自己所有であってもそれを証明する書類の提出が求められます。

具体的には「自認書(保管場所使用権限疎明書面)」という書類を車庫証明の申請時に提出して保管場所の使用権原書とします。

保管場所が他人の所有である場合

車の保管場所が他人所有である場合は、その所有者の承諾が必要になるのですが、他人所有ですから自認書ではなく保管場所使用承諾証明書を提出することになります。

親や知人の所有地であるとき(無償で借りる)

車の保管場所として親や知人の土地・車庫を無償で使用させてもらう時は、その所有者である親や知人に使用承諾証明書への記入をしてもらうことで書類を完成させることができます。

また、親や知人であれば若干の手間はあるものの、抵抗感なく承諾書への記入をお願いすることができると思います。

賃貸物件(アパート・マンション・月極駐車場)であるとき

賃貸物件に車を保管する場合は次の2つの方法があります。

  1. 大家さんに承諾をもらう
  2. 管理者に承諾をもらう


管理者とは、管理会社管理組合のことです。

大家さんに直接承諾をもらわなくても中間に管理者がいる場合は管理者による承諾でも足ります。ただし、管理者が介在しない場合は大家さんに直接承諾をもらう必要があります。

ちなみに、管理会社や管理組合に承諾をもらう際に手数料がかかることがあります。

保管場所使用承諾証明書として賃貸借契約書も使える!?

前述の2パターンの場合、第三者から承諾を得るという手間がかかるのですが、実はこの手間をゼロにする方法があります。

それは、賃貸借契約書を使用承諾証明書の代わりに提出するという方法です。賃貸借契約書はコピーを提出するだけですので所有者や管理者と連絡をとるなどの作業は一切不要となります。

しかし、常に賃貸契約書が利用できるとは限りません。

なぜなら、車庫証明に必要な事項が明確に読み取れなければならないからです。

実はあまり利用されていない賃貸借契約書

大家さんなどに承諾をもらうより賃貸借契約書を使うのが楽だと思われるかもしれませんが、実のところ実務上はあまり利用されていません。

おそらく、契約内容を確認するのが難しいため、内容確認するよりも直接承諾をもらってしまった方が分かりやすく確実であるからだと思います。

まとめ

いかがでしたか?

改めて確認しますが、車庫証明には使用権原書という書類が必要で保管場所の所有者が、

自己所有のとき → 自認書
他人所有のとき → 使用承諾証明書または賃貸借契約書

という違いがあります。このうち使用承諾証明書は管理者の承諾でも構いません。

他人所有の場合だと第三者の関与することになりますので、誤字脱字が発生すると自分で修正できないといった事態も起こり得ます。

そうなると修正に時間がかかることもありますので車庫証明の中で最も丁寧に作成したい書類と言えるでしょう。