駐車禁止じゃないのになんで!?道路上の長時間駐車のリスクとは?

駐車禁止区域に駐車すると、キップを切られたり、ひどい場合レッカーで移動されたりするのは多くの方がご存知だと思います。おそらくこのような経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。

では、駐車禁止区域であればいつでもどこでも駐車してよいのでしょうか?

そんなことはありません。それどころか、場合によっては重い罪に問われてしまうこともあります。

今回は、道路上に長時間することのリスクについて解説していきます。

駐車禁止じゃなくても長時間駐車は違法行為!?

ご存知のとおり駐車禁止の標識があるところで駐車すると違反切符を切られてしまうのですが、実は、駐車禁止区域でなくても道路に長時間駐車すると法律違反となってしまうことがあります。

「駐車禁止ではないのになぜ?」と思うのは当然だと思います。しかしこれは事実です。

というのは、日本には道路上の駐車を禁じる2つの法律が存在していて二重の規制がかかっているからなんです。

道路交通法の規制

1つ目は、よくニュースなどで登場する「道路交通法」です。

道路交通法は、言い換えると車の免許をとるときに教習所で学ぶ交通ルールのことです。道路標識によって一時停止や駐車禁止やあおり運転などの規制をしている法律になります。

道路交通法では停車及び駐車について次のような定めがあります。

道路交通法44条(抜粋)

  • 車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。


このように駐停車してはいけないところに駐停車してはいけないと明確に規定しています。

保管場所法(車庫法)の規制

そして2つ目は、「自動車の保管場所の確保等に関する法律」です。通称、保管場所法とも呼ばれます。ちなみにこの保管場所法ですが、車庫証明について定めている法律でもあります。

実はこのあまり知られていませんが、保管場所法においても道路上の駐車を禁止しています。

保管場所法では長時間駐車について次のように定めています。

保管場所法11条2項

    何人も、次の各号に掲げる行為はしてはならない。

  1. 自動車が道路上の同一の場所に引き続き12時間以上駐車することとなるような行為
  2. 自動車が夜間(日没時から日出時までの時間をいう。)に道路上の同一の場所に引き続き8時間以上駐車することとなるような行為


法律の内容からすると、夜間の方が規制が厳しいことが分かります。

道路交通法の規制が、「駐停車してはいけないところに駐停車すると違反になる。」というのに対し、保管場所法では道路が規制区域かどうかは問わず一定の時間を過ぎたら違反となる点が大きな違いです。

これは、保管場所法が「車の保管場所はきちんと確保すべし!」「道路を妨げる行為はしてはいけない!」という趣旨のもと制定されているため、場所を問わず長時間の駐車が規制されていると言えるでしょう。

まとめ

いかがでしょうか?

このように、駐車禁止区域でなくても、長時間駐車し続けると法律違反となってしまいます。罰則も厳しく、もし違反した場合「20万円以下の罰金と減点2点の処分」が待ち受けています。

一晩くらい大丈夫だろうという軽い気持ち道路上に車を駐車しておくと、大変な事になってしまうかもしれません。駐車禁止区域でない道路であっても、長時間駐車することはやめておくべきでしょう。